jizakiの備忘録

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VideoNews「日本の右翼はどこへ行ったのか」鈴木×萱野×宮台(視聴メモ)

【動画概要・抜粋】

  • 自分の鬱屈が晴らされれば、社会の事などどうでもいい、というやつが多い。承認欲求や溜飲欲求のために、公共的なことを話題にしている場合が多い。
  • 宮台「右には右を、左には左を。右に対して左がカウンターデモをしても、義を巡る争いにならないから。」
    萱野「ヤンキーに説教が通じるのは、ヤンキーが尊敬できる人間だけ。同じように、ヘイトスピーカーに説教が通じるのは、ヘイトスピーカーが尊敬できる人だけ。それは誰か。」 

慰安婦問題>

  • 従軍慰安所は、ナポレオン戦争の反省から。補給がないと、軍隊は何でも現地調達する山賊になり、現地人を強姦するようになる。そこで、軍として従軍慰安所を作って、管理売春を行った(性病予防、暴力予防、女性の自由意思の尊重の為)。
  • この制度に反対したのが、宗教的原理主義のアメリカで、しかし軍隊の周りに業者を集めた。
  • 日本の従軍慰安婦問題に対するヨーロッパの見方は、そこに女性の自由意思の尊重があったかどうか。募集主体・管理主体が政府か民間かは関心がない。自由意思がなかったら,性奴隷と見なす。
  • このような、対外的な見え方まで考慮しての橋本発言なのか。自分は正しい、の一点張りでは政治にならない。

ヴァイツゼッカー大統領の演説>

① 戦争責任は個人によって違う。軍人、民間人、年齢。つまり、若い奴には責任は無い。

② しかしドイツ国民であるかぎり、ドイツのイメージを回復しないと、ヨーロッパの中で立つ瀬がない。ドイツという共通の船に乗っている以上、二度とナチズムに陥らない行動をとる責任がある。

 

【視聴動画】

マル激トーク・オン・ディマンド 第641回(2013年07月27日)
「日本の右翼はどこへ行ったのか」

ゲスト:鈴木邦男氏(一水会顧問)
 

この動画、ぜひyoutubeやニコ動で無料放送してくれないですかね、→宮台さん、神保さん。今とは別のナショナリズムを立ち上げるために必要な認識ではないか。ネトウヨさん達もたくさん見るだろうし。

 
【萱野稔人】
萱野さん久しぶりのVideoNews登場。
「かやのチャンネル http://ch.nicovideo.jp/kayano 」でgdgd話している人とは別人に見えるが、どっちも好き。
 
【選挙】
参院選の結果、自民大勝。アメリカは必ずしも歓迎していない。景気が良いから風が吹いているだけ、という判断。安倍のトラックレコード見て、これはダメだわ、と思ってる。
 
【海外の反応】
海外では日本の右傾化が、盛んに議論されている。ネオナチやルペンと同様に、分解する中間階級の不安を背景に出てきている。
このま行けば、東アジアの情勢が相当不安定化するのではないか、と危惧している海外のウォッチャーは多い。
 
尖閣
尖閣問題で、対外的な緊張が高まると、日本の対米従属は深まる。これまでのパターンどおり。そしてTPPや、原発推進の方向へ。尖閣のお蔭で、アメリカは日本を操作しやすくなっている。
 
【憲法草案】
幼稚園児か小学生の書いたような自民の草案を見て、アメリカは完全に、「大人として、指導を入れた方がいい」と思っている。憲法の文法を完全に無視した書き方になっている。主語はどんどん入れ替わり、国民なのか民衆なのか国なのか、良く分からない。
 
【教養】
阿部は「憲法は王権の時代に生まれた」と言っているが、王権の時代に憲法などない。王権を倒した市民が、統治権力の暴走を防ぐために立てたのが憲法。本来の右翼や保守が備えるべき基礎教養もない。
 
【新住民問題】
在日特権叩きの在特会チーム関西、組合同和利権叩きの橋本、風営法の営業時間問題、クレイジー・クレイマー、モンスターペアレント、何かというと警察を呼びたがる奴。みな、新住民問題。
 
【特権】
在日特権と言うが、一番特権を持っているのは日本人。こんないい国に偶然生まれて。申し訳ないと思わないのか。新井将敬に、「鈴木さん、あんた日本人になろうとしたことないだろ、」と言われて恥ずかしかった。
 
【阿部∽ネトウヨ
小学校時代につらい経験をしているらしい。マシュマロのような温和な性格だが、激高して机を叩きつけることもあり、かと思うと家で2chを見て元気が出たり、自分のfacebookに人の悪口を書いたり(外交官の田中均や、TPPに反対する人たちを左翼だと誤認したり)。ネトウヨと親和性があるキャラクター。実存的には可愛いかもしれないが、国の代表としては、立派とは言いにくい。
ポンポン痛くて首相を突然辞めて、ネット世論を見て突然やる気が出た。ネット世論と言っても、要するに,2chとニコ動とチャンネル桜。伝統的な保守の枠組みでは理解できないキャラクター。右翼でも保守でもないとすれば、なんなのか。
国際的な常識で言えば、ネットは感情のゴミ箱。だから、政治家はネット言論を真に受けてはいけない。ネットの中にも、VideoNewsのような宝石もあるがww
 
ネトウヨは右翼ではない】
右翼は排外主義ではないし、ヘイトスピーチなどしない。右翼には在日もいる。孫文の愛国的な言動に意気を感じて応援した。右翼国粋主義ではなく、右翼国際主義。
 
【学生時代】
戦間期に弾圧された大本教にルーツを持つ生長の家という宗教を、鈴木の母親がやっていた。大本教は、別の天皇を立てる可能性もあった、ラディカルな宗教。早稲田で全共闘に反発してから右翼。当時は右派的な宗教団体であった生長の家のフロントとして活動。左翼運動はソ連のリモートコントロールだ、として、とにかく反共。民生の宮崎学と対峙していた。
 
【日本人】
91年に共産圏が崩壊して冷戦が終結。この時、右翼の存在が問い直されるべきだった。当時、まだ冴えていた田原総一郎が朝生で「たとえばイラン人が、天皇に帰依して、日本の風習になじんだとしよう。日本人として認めるか?」と聞いたところ、並み居る右翼はシーン、となっちゃった。
萱野「今、同じことを聞かれて、鈴木さんは?」
鈴木「認めますよ。だって、僕らのルーツだって分からないじゃないですか。」
萱野「じゃあ、右翼を規定するのは「人種」じゃなくて、何なんですか?」
鈴木「日本に住んで、日本的なものを持っていればいい。日本が好きで日本に住んでいるのなら、日本人と同じだ。」
 
【心情】
三島由紀夫の自殺、反日武装戦線の爆破、これらは左右の先端が心情的に呼応している。そのような心情が感染する土台、を護持したいのが右翼。主意主義。
右翼は在特会のような弱い者いじめや、卑怯なことはしない。COVEを上映する映画館主の家に行って、おばあさんを糾弾してその様子をネットに流すとか。
関東大震災の後の、朝鮮人虐殺を調べたのは、右翼の黒龍会で、恥ずかしいことをするな、と。した奴がいたら、尻を拭うことまでする。国辱。
 
【保守】
何かを保守する、という言葉だが、良いものを守るのはいいが、現状をすべて変えない。愛国には現状をそのまま、ということが往々にしてある。右翼は、それではだめだと考える。憂国の側面があり、反日と呼応する側面がある。
エドマンド・バークマンハイムのような保守思想は、フランス革命に対する反省から出てきた。人間の理性は有限であり、社会の複雑性は無限であるから、主知主義中二病的な合理主義は、破たんして社会が回らなくなる。社会が現にまわっていることを尊重せよ、という思想。近代合理思想から見ても、合理的であって、主意主義まではいかない。反主知主義主知主義
 
【革命のシンボル、天皇】
現状肯定しかしない保守には、天皇制を理解できない。天皇は、歴史的に、革命勢力が自らの正統性を示すために、自らの内発性を惹起するために押し立ててきた。ここまではみ出すのが右翼。天皇は常に、革命勢力を鼓舞してきた。世界的に、革命のシンボルになっている王権は、ほかに存在しない。ゲバラのような革命家はいるが。
 
【立派】
鈴木「政治家も言論人も、立派かどうかは分からない。言ってることしか知らないから。」
宮台「鈴木は全ての著書に、住所と電話番号を載せている。今、真似できるやつはそういない。」
萱野「左翼が情けなくて愛想が尽きたのは、言ってることとやってることが違う。反権力、などの綺麗ごとを言うが、自分たちの組織の中ではドロドロやっている。認めてしまえばいいのに、人間ってそんなもんだ、と。尊敬できない。」
 
愛国者
へたれは、国内で吹き上がってる。中韓きらいだなんだのと。真の愛国者は、出ていく。拉致問題等で交渉する。一回目の交渉で成果が出るわけない。それで帰ってきたら売国奴などと呼ばれる。それでも突き動かされる内発性があって仕事を継続するのが、真の愛国者
 
【感情と内発性】 
ソクラテスは4回戦争に行って、尊敬された。これは、戦場では喜怒哀楽を超えたものが動いているから。ソクラテスが喜怒哀楽の感情を乗り越えたものだから。 
アウシュビッツの後で詩(リリック)を書くことは可能か、ギミックだ。詩は喜怒哀楽を表現し享受する贅沢品だ。戦争ではそんなもの吹っ飛んでしまう。だからアドルノは大衆芸術的なものを嫌悪した。
この感覚はアレントにも受け継がれ、喜怒哀楽の感情を超えた内発性が発見される。内発性や徳が強ければ、喜怒哀楽は犠牲にできる。
 
【義】
鈴木は内発性や徳を、義として理解する。 
しかし最近は、義に基づいて行動することは薄くなっているかも。というのも、左翼と同じで、右翼にも「義の為に」とか言いながら、ちと汚いなあ、と思わざるを得ない言動があるから。
平時の生活は保守的に過ごす人間が多い。生活とはそういうものだから。しかし、普段仲良くていい奴だと思ってた奴が、非常時に我先に逃げたり裏切ったりすることもあれば、嫌な奴だと思ってた奴が義の為に身を捨てて助けてくれたりもする。そういう時に、何かが見える。 平時の時には、名乗りを上げるチャンスはあまりない。
 
【暴力】
1932血盟団事件、1932五・一五事件、1933神兵隊事件、1936二・二六事件
本人に話を聞いたが、暴力が好きなわけではない。戦前は、言論の自由がなかったから、法を破ってやるしかなかった、と。
一人一殺、一殺多生。仏教用語。政治には、そのような冷酷な側面がある。
天誅、天に変わってと言うが、天に変われるだけの人間はいるのか。しかし、言論の自由がなかった戦前の青年が、そうなった心情は分かる。
 
【岩倉使節団】
岩倉具視伊藤博文が欧州視察をして、国づくりをする際に、田吾作(民衆)が田吾作(岩倉や伊藤)の言うことを聞くとは思えなかったので、天皇を持ち出した。天皇主義者ではない人間が、天皇主義を強制した。
西郷隆盛は気づいていた。国民のために天皇を使って国民を統合している。しかし、本当に国民のためなのか?と。欧化による私服肥しの為に天皇の権威を簒奪しているだけではないのか。映画ラストサムライで扱われている。
 
【熟議】
公共的なことを話題にしているからと言って、真に受けてはいけない。承認欲求や溜飲欲求のために、仲間内での発言力を強めたり動員を当て込んで言っているだけの場合が多いから。 それを見極めるには、時間がかかるから、熟議=デリバレーションが必要。
自分の鬱屈が晴らされれば、社会の事などどうでもいい、というやつが多い。実は孤独問題だという、リューシキンによるアメリカ社会の分析が、日本にも当てはまる。
 
【 ジハード】
自爆テロには共感する。しかし例えば支援してくれと言われたら、慎重にならざるを得ない。言われることは無いと思うが。お互いの国の事はお互いでやっていくのが民族派右翼だから。
 
【二重帰属】
宮台が福島に十数年前に行った時に、教育委員会の皆が日の丸に敬礼しているから、嫌な気分になって聞いた。あれは薩摩藩旗だぞ、と。するとみんな体が固まってたんだけど、ある人が 言った「会津は常に、京都守護職を引き受けた時も、日本の中心を担おうとしてきた。しかしそれでも周辺化される、賊軍扱いされるんだ」と。
日系アメリカ人が、戦争で最も戦績がいいのと似て、二重帰属が、その人たちを戦略的にさせ、全体を考えてその中で全体の為に義を尽くそうとする。
日清日露戦争までは、捕虜に自由に外出させていた。野蛮国だと思われないように。その背伸びは、いいことだと思う。 
そして、日清日露戦争までは、武士道が残っていた。どこどこ藩の侍だ、という意識。藩への帰属意識があるから、卑怯な、見苦しい真似はしない。
クルド人エリートが、トルコに尽くすのは、クルドにリターンをもたらすこと、クルドの誉れを高めること、が動機となっている。
アメリカでも、移民が出自(アイデンティティ)の誉れを上げるために競って愛国に走っている時期がある。
 
【愛国と売国
戦略なき愛国が、最も売国だったりする。単なる心情の吐露が、売国行為になる。
慰安婦は他の国にもいたじゃないか、慰安婦の存在自体は、どこにでもあったという意見は、もっともだと思う。一定の正統性がある。ただ、強制連行の有無が疑われている状況で、今の国際環境で日本の政治家がそれを言うことはどうなのか。
問題は強制連行があったかどうか、ではなく、強制連行があったかどうかに拘って、いつまでも問題解決の姿勢を見せなかったことが、問題。
アメリカで慰安婦の石像が作られたときに、日本の政治家が止めに行って、ニューズウィークにすっぱ抜かれて、アメリカで慰安婦問題が知れ渡って、日本の評判が悪くなっている。
 
従軍慰安婦制度】
ナポレオン戦争に対する反省から始まっている。軍隊は、ロジスティックをしっかりしていないと、食糧でも性欲でも何でも現地調達する山賊になってしまう。現地の女性を強姦するようになる。そこで、国家が従軍慰安所を作った。そこでは、性病予防、暴力予防、女性の自由意思の尊重の為に、管理売春を行った。
この制度に反対したのが、アメリカ。アメリカは宗教的原理主義の国だから、売春に軍・国家が関与することを認めなかった。軍隊・基地の周りに、業者を集めた。これは、沖縄でもそう。沖縄の民生局は、慰安所を基地の中に作ってくれと言っていた。基地周辺で毎日レイプが多発するから。米軍は作らなかったので、民生局が作って、兵隊にここを利用するよう言ってくれ、ということになった。後のコザ市のビジネスセンターストリート。
病気の管理は、米軍はびた一文出さないから、全て琉球政府が出した。暴力の管理も、米軍は何もしないから、多くの女性が殺されている。この時、道徳的に正しいのは、米軍と琉球政府どちらなのか。
日本の従軍慰安婦問題に対するヨーロッパの見方は、そこに女性の自由意思の尊重があったかどうか。募集主体・管理主体が政府であろうが民間であろうが関係ない。自由意思が尊重されていなかったら,政府であろうが民間であろうがSEX SLAVE性奴隷と見なす。
確かに、中曽根康弘が言うように、自由意思で働けた慰安所もあったであろう。しかし、そうでない場所が多々あった。それが当人たちから訴えられている。
橋本大阪市長が言うように、確かに慰安諸制度はどこにでもあった。しかし、ヨーロッパ、アメリカ、日本で、慰安所の制度は違ったし、大事に思っているポイントが違う。そのような、対外的な見え方まで考慮しての橋本発言なのか。相手が何を問題にしているのか、配慮がない。自分は正しい、の一点張りで、政治になってない。他の国も全部、慰安婦制度について反省するなら、謝ってやらあ、では、子供の喧嘩。万引きやスピード違反で捕まった人間の言い訳。他の奴もやってるだろうが。
植民地への支援は、日本はかなり手厚くやった。だから戦後、アジアはアフリカのようにはならなかったし、現在の高度成長がある。その辺の違いがあまり国際的にも国内的にも理解されないまま外交が展開している。
 
ヴァイツゼッカー大統領の演説】
① 戦争責任は個人によって違う。軍事だったか、どういう役職の公務員だったか、民間人だったか、軍属だったか、年齢だったか。つまり、若い奴には責任は無い。
② しかし、ドイツ国民であるかぎり、ドイツのイメージを回復しないと、ヨーロッパの中で立つ瀬がない。ドイツという共通の船に乗っている以上、未来に向けた行動、二度とナチズムに陥らない行動をとるべきだし、責任がある。
これは、物凄く戦略的な物言いだ。ドイツの東西統一からeuでの主導的な地位を得るまでの道程を、逆算して演説している。
ドイツ人のインテリは、そのことをよく理解した。個人補償制度に対する内心の思いは別として、戦略的にこれしかない、と思った。なぜ、これが日本で出来ないのか。日本は戦略を間違った。現在の日本でヘイトスピーチを考えるうえでも、重要な戦略。
 
【没落中間層】
仕事が中韓に流れて日本の中間層が分解して自分が没落する不安・恐怖と、戦後補償を未だに求める中韓が、自分たちの既得権益を奪う存在としてダブって見える。そこで、過剰防衛から転じた攻撃性が、排外主義になっている。萱野が不満に感じるのは、そういう若者に対して、大人が、ヘイトスピーチはダメでしょ、という対応しか出来ていないこと。
生活保護バッシングと同じ。我々の縮小しつつある貴重なパイを、寄生虫(似非生活保護申請、中韓)に奪われたくない。保険料や税金を納めているのに、あいつらはなんだ、と。それを上から説教しても、効かない。
 
【本土の没落しつつある若者の孤独】 
沖縄の軍用地借用料は、凄い金額で、地主老人に富が集中している。そういう意味では格差があるはずだが、伝統的に血縁社会で、食えない親戚を助ける社会。宮台がコザ市のちびっこギャングを取材したときに、昼間っからなんで遊んでられるのか?と聞くと婆ちゃんが金くれるから、という。年寄りに金が集中しているが、血縁者がぶら下がれている。フランスの好きな包摂の原理が、働いている。
翻って、なぜ本土で若者が孤立し孤独を感じているのか。
 
【敵】
グローバル経済の進展に対して、経済団体はコスト競争を選択した。そうすると平均利潤率逓減の法則で、労賃を下げざるを得ない。もう一つの方向は、イノベーションで品質競争だった。選択を誤ったのは誰なのか、その責任を回収すべきは誰なのか。日本のヘイトスピーカーは敵を誤って、中韓を攻撃している。
 
【警察の思惑】
在特会のヘイトスピーチは、大久保や鶴橋だから許可している節がある。明らかにガス抜きに利用している。自民党や政府に対してだったら、許可していないだろう。中国が反日デモでガス抜きしているのと思惑は似ている。
 
【在日韓国・朝鮮人】
強制連行で連れてこられたのは少数で、一旗揚げに来た人が多くて、済州島(さいしゅうとう・チェジュド)の人が多い。日本からブラジルへの移民も、沖縄からが圧倒的に多い。新天地で一旗揚げようという動機が働く。まったく同じ理由。沖縄・済州島の人間は、本島・半島では差別されているから。
今でも、済州島出身の在日の人間が半島に行くと、差別的なまなざしを向けられる。済州島の人間は、韓国にいても、日本にいても差別される。
宮台の幼少の友人にも、ゼミにも、済州島出身の在日朝鮮人がいる。この人達は、新井将敬のように、日本の事をよく研究して、必死に日本人になろうとしている人が多い。そういう人たちを前にして、恥ずかしく感じないのか。
 
済州島
wikipediaより抜粋↓
1948年4月3日には済州島四・三事件が発生し、少なくとも3万人の島民が韓国軍などによって虐殺された。それから逃れるために日本に渡って来た在日韓国・朝鮮人も多い。
済州島の特徴を言い表すのに、「三麗」と「三多」、および「三無」という言葉がある。三麗とは、「美しい心」「素晴らしい自然」「美味しい果物」といった島民の心や景観の美しさ、特産物を意味する。

三多とは、「石と風と女の3つが多い」という意味。火山島であるため、火山の噴火により流出した火山岩が多く、台風が度々通過する上、季節風の吹く地域であり、またかつては漁労のため海に出て遭難するなど男性の死亡率が高かったことに由来している。

三無とは、「泥棒がいない」「乞食がいない」「外部からの(泥棒と乞食の)侵入を防ぐ門が無い(必要無い)」という意味を表す。かつての済州島は、厳しい自然環境を克服するため協同精神が発達しており、そのことも前述の3つが無かった(あるいは必要とされなかった)とされてきた所以とされる。そのために韓国本土に住む人々の気性の激しさとは対照的に性格も温和で純朴だと言われる
出自:梁石日(作家・父が済州出身)竹田青嗣(文芸評論家)和田アキ子(歌手・父が済州出身)
 
【別の我々】
ナショナリズムの右傾化、あるいは幼稚化を受けて、反ナショナリズムでは処方箋として効かなくて、別のナショナリズムが必要なのではないか。
ローティの考えと同じ。抽象的にコスモポリタンなんて議論する連中はバカで、今後も人間は、「我々、と非-我々、」であるしかないんですよ。
「我々という意識」がないと祭りもできないし、コミットメント出来ない。しかし、どこに我々という線引きをするのかは恣意的で、誰と遊んで過ごしたのかで、一発で決まる。だから、健常者と障がい者の混合教育と同じ精神が、別のナショナリズムを立ち上げる。
 
【ヘイトスピーカー】
鈴木邦夫「自分の知らない人たち、嫌いな人たちと一切付き合わないで、気持ちいい仲間だけで付き合っている、そして自分たちで理解できる本だけ読んでいる、とか気持ちいいんですよね、多いですよね。私も右翼の運動をしていて、経験してきた、楽しいんですよ。」
萱野「ヘイトスピーカーへのメッセージは?」
鈴木「異質なものを認めることですね。日本は元々、大陸や欧州から文化を無制限に受け入れて咀嚼してきた。この咀嚼力や寛容性は、世界に誇っていいと思う。それが失われてきているとしたら、悲しい。自分が弱いから、国に強くなって貰ってそれに同一化する、というのでは。」
萱野「自分が社会から零れ落ちるかもしれないという不安に駆られた人が、国家に頼るのではなく、別の道を模索するには、どうしたらいいと思います?」
鈴木「自分の苦境は自分で努力して、それでも不平等だと思ったら政府に要求を突きつければいいと思う。」
宮台「萱野さんは、ヘイトスピーカーを生み出さないためには、何が必要だと思う?」
萱野「今の財政状況から、やれる政策はばらまきではないけれども、そのうえで、日本で日本的ライフを送る人達は、一人もこぼれ落とさせませんよ、という政策が必要だと思う。」
 
【ヤンキー地元衆による自治】
宮台「萱野さんが先取りしていったように、それは財政的に無理だ。ソロスが言ったように、日本国はどのみち潰れる。1500兆円の借金で。国は頼れないが、人は一人では生きられない。スモールスケールの共同体自治の中で、多様な人間と共に生きていく努力が必要だ。ポピュリズムは、抽象的な掛け声に引っ張られる。これは、自分たちにとって手触りが感じられるような具体的な言葉を作り出していないから。」
萱野「良く分かる。私のイメージでは、ヤンキー地元衆による自治。一流企業や国家官僚として地元を去らなかったヤンキーであるうえで、懐の深さも示し、弱い者いじめは許さない。」
鈴木「ヘイトスピーチ禁止の法制化には反対。判断を警察に委ねるのは危ない。時間がかかって苛々するかもしれないが、市民の側の運動で止めさせるべき。」
萱野「愛知のヤンキー地元衆の中で育ったから、好きなんだけれど、地元愛が愛国主義に走って排外主義に至ることも見てきた。暴走族が日の丸を掲げて地元の朝鮮学校の生徒たちと集団乱闘とか。なので、国レベルで何らかの取り組みも必要だと思う。」 
 
【右には右を】
宮台「右には右を、左には左を。右に対して左がカウンターデモをしても、義を巡る争いにならないから。」
萱野「ヤンキーに説教できるのは、ヤンキーが尊敬できる人間だけ。同じように、ヘイトスピーカーに説教できるのは、ヘイトスピーカーが尊敬できる人だけ。それは誰か。」 
宮台「一水会名誉顧問の鈴木さんかな。」
鈴木「私はかつての敵だった人とも話し合ってきたが、それは自分が恥ずかしいからだと思う。立派な人間は、もっと早くに捕まったり、死んだりしている、自分はやはり逃げてきた、という意識がある。だから、色々な人と話してきた。すると、その人の生きざまに学ぶことが多い。普段はきれいごと言っていても、いざという時の決断は、別の人も多い。」 
萱野「決断は、他の事とは別次元にある。シュミットは、決断こそ政治に独特のもので、決断は他の何からも演繹できない。」
 
JIZAKI:宮台の言う愛国・パトリの土台(心情が感染する土台)と、宮台の言う公共空間(土台を共有しない者との共存の知恵)の関係は? 
 
おわり