jizakiの備忘録

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ニコ生「グロ​ーバル恐慌の真相」中野剛志×​柴山桂太

【概要】

80年前の大不況で列強が国外に押し売りに行った時と状況が似ている。

 

【動画視聴メモ】

2011.12.23.配信

http://www.nicovideo.jp/watch/sm16498457

 

【戦後経済の2段階】

① GATT時代・・・国民国家が主、国際経済が従。

② WTO時代・・・国際経済が主、国民国家が従。

世界政府がない以上、「国際経済」を規制できない。外交で決めるとき、覇権国家たるアメリカがルールを決める。その他の国は国家主権の放棄。

 

【民法改正】

古くに制定された法律で、判例を重ねていて、専門家でないと判断できない。「これでは海外からの投資を呼び込めない」ということで、民法改正作業が進んでいるが、これはアメリカの食い物にされるだけ。

 

【金融資本】

アジア通貨危機からリーマンショックに至る経過で、国際投資がヤバイ、ということが分かるはず。

スティグリッツなどが連名で、アメリカ高官に「金融規制」を求めている。

 

 【自由経済×民主主義】

この社会にとって、どちらも不可欠だが、相反するベクトルを持つ。

企業が業績の変動で労働者を自由に首にすると、民主主義(国民国家)に訴えて、規制をかける。

構造改革で規制緩和すると、労働者が割を食って、安易な「解決策(これが結局規制緩和に過ぎない)」を出した政治家に票が集まる。 自由経済のストレスが高まりすぎると、民主主義に強い反動が生じて、ファシズムに走る。

自由主義によって被害を受けているのに、中間団体の利権叩き(組合潰し)でうっぷん晴らしをして、さらなる自由主義を呼び込んでしまう。 

サッチャーレーガンがやった構造改革とは、「インフレの原因は、労働組合による賃上げ圧力だ」として、組合をつぶして人為的にデフレを起こすことであった。

デフレ下で既得権益を潰すと、デフレが加速する。

 

【インフレ・デフレ】

単に物価の上下を示すだけではなく、経済の方向性を示す。

インフレは資本主義経済の膨張を示し、未来へと向かって経済を膨張させる資本の運動の大きさを示す。

デフレは資本主義経済の縮小を示す。デフレは資本主義の否定、資本主義の死。

インフレも怖いけど、デフレが怖いのは、「弱いところ」にしわ寄せが来るところ。お金と仕事のある人は、大丈夫。お金を持っている人は、その価値が上昇する。若年失業は弱者の典型。

 

【TPP】

リーマンショックで不況に見舞われた先進国は、輸出を強化して国内雇用を守ろうとする。為替切り下げや、相手の関税こじ開けで。30年代の恐慌でも同じ。それが今のTPP。

TPPに加盟していない中国や韓国の企業が、TPPに加盟しているヴェトナムに工場を建てて、そこから日本に輸出する、ということが十分にあり得る。一体誰の得になっているのか。多国籍企業や投資家にとって得。

 

【国際政治】

今や「国vs国」の外交ではなく、「1%(富裕層)vs99%(貧困層)」の争いになている。「グローバル資本主義vs各国民」の目線が必要。

 

閨閥

世界のどこでも、国民を守るべき官僚・政治家などのエリートは、金融エリートと出身校・階層が同じで、若い時の仲間と集まって語り合っていても、貧困層の実情が分からない。だから、「1%vs99%」の構図が再生産される。

 

【グローバル競争】

利権団体を壊して溜飲を下げる民主主義が、グローバル資本主義を推進している。郵政、農協、日本医師会を潰しても、その後に入ってくるのは、はるかに政治力の強いアメリカの利権集団。

市場のルールが統一されると、そのルールに適応した企業の世界的な統合・寡占化が進む。その過程で、多国籍企業で働く労働者はより厳しい競争にさらされる。