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VideoNews「総理大臣が立憲主義からの離脱を表明しても問題にならない国」宮台×神保(視聴メモ)

【動画概要】

自民党の憲法草案に、国民の道徳を規定する条文が。憲法は国民から国家への命令文なのに。さらに、近代国家における法と道徳の分離が分かってない。様々な道徳観があるし、国は強制しないのが近代国家の常識。 安藤美妃バッシング問題に見るように、日本の民度がこのまま自壊を続ければ、道徳違反で刑罰を食らいかねない。

 

【視聴動画】

ニュース・コメンタリー (2013年07月06日)
総理大臣が立憲主義からの離脱を表明しても問題にならない国
 
立憲主義から離脱する自民党】
記者クラブでの9党討論会で、安倍総裁は「憲法が国家を縛る、と言うのは王権の時代の話で、民主主義の時代になったから、国の形(国民の道徳観も含め)を憲法に書き込んでもいいのだ」と言った。
政権が5回くらいぶっ飛んでもいいくらいの爆弾発言なのに、記者クラブの誰も騒がない。与党トップなのに、あまりの教養の無さに驚くと共に、それを咎めない記者の民度・・・。
別の場で、神保が石破に阿部発言を問いただしたところ、「我々は、道徳違反で国民を処罰するような法律を作ることは考えてない」という。しかし憲法に、例えば「家庭は仲睦まじく助け合わねばならない」などと抽象的な書き方をしたとしても、その後に例えば維新の会が政権を取って、「仲睦まじくない家庭を罰する法律」を作ったとしたら、どうなるのか。そのような統治権力の暴走を食い止めるために、慎重に組み立てられているのが、憲法だろうが。
 
【憲法】
東ヨーロッパにも憲法のようなものがあったが、そのビザンツ帝国圏では、「法」と「道徳」を共に定めたもので、宗教国家が個人の内面をも規定すると言う代物。
東側の共産圏にもある。ソ連や中国の国家反逆罪。
自民党は家族の望ましい在り方などを憲法に書き込もうとしているが、これが通れば「安藤美妃の出産への差別」が憲法によって正当化されるような事態を招く。
そんなことを、許すわけにはいかない。
 
【法と道徳の分離】
近代国家では、なぜ分離しているのか。歴史的にたどる道と、原理的にたどる道とあるが、いずれにせよ、近代社会は、宗教観や家族観、性愛観について、その道徳を国家によってきめない、と言う作動原理で回っている。色々な道徳感情があるし、様々あっていい、ただし、法に触れない限りは、という組み立てが近代国家。
 
 【憲法に道徳を】
自民党の憲法草案の動機→
インタビューズ (2013年06月29日)「憲法草案に道徳は書き込まざるを得なかった」インタビュー:船田元氏(衆議院議員・自民党憲法改正推進本部本部長代行)
も参照。
船田は、「自民党が例えば維新などに政権を奪われたときに、国家権力が暴走しないと、断言できない」、と言っていた。お前、国際社会でもう一度言ってみろ! 「国辱」ものだ。
 
【日本の民度
憲法と憲章の区別がついていない。日本の社会科教育の不十分さもあるが・・・
憲法は国民(ネイション)から国家(ステイト:統治権力)への命令文であって、その条文に国家から国民への命令文が入っているのは論理的におかしい。おろかすぎて、コメントできない。 
アメリカとフランスでは、 同性婚を禁じる法が違憲となった。フランスは性愛的には同性愛に厳しい国だったが、達成した。しかし日本では、安藤美妃へのバッシングが起こる。
この違いは何か。米仏には公共空間が成立している。日本にはない。
公共圏が自律していないので、揉め事があると警察などの行政が駆り出される。市民の相互監視のための法律を求めたりもする。
「身内」に対しては親密で同調圧力があり、「身内」以外には浅ましくさもしい言動をしてしまう。「車いす入店問題」、「ヘイトスピーチ」も同様。
 
jizaki:憲法の基本の基本についての勉強にもなる動画。ぜひ見てみてください。
 
おわり