VideoNews「国際世論調査 モラルリーダーとしての地位を失い始めたアメリカ」宮台×神保(視聴メモ)
【視聴動画】
ニュース・コメンタリー (2013年07月20日)
【動画概要】
世界各国で米中の好感度調査(PewResearch)。
下り調子のアメリカ、上り調子の中国。
アメリカは「人権外交」と称して世界各国の内政に干渉して民主化を推進してきたが、特に9.11.以降、世界はアメリカの唱える人権・民主の掛け声に冷ややかな目を投げかけている。グアンタナモ、イラク進攻、等で。特にイスラム圏で反米感情が高まっている。
対して中国はODAなどで途上国に資金援助しており、宣伝も上手い。特にイスラム圏で対中感情が良い。
アメリカが1930年代に築きあげてきた、公民権運動、60-70年代の女性運動の成果を捨てて、開拓時代を彷彿とさせるような、銃による自衛が過剰に正当化されている。
先日も、黒人の少年が敷地に入ったからとかいうことで撃たれた。これは、グローバル化の進展で中間階級が分解して社会に対して不穏に感じる人間が増えてきており、過剰なセキュリティー意識が発露している、と言うこと。
【プリズム】
アメリカが、諜報活動の方法として、ネット上のビッグデータを解析する「プリズム」を推進したのは、技術の進展もあるが、CIAによる伝統的なスパイ活動がやりにくくなっているからではないか。反米感情の高まりで現地人のスパイを養成しにくくなってるとか。
日本で「遠隔操作ウイルス」事件の犯人とされた片山氏が逮捕された証拠は、プリズムを通して収集したデータを、日本の検察がアメリカのFBIから提供されて行っているようだ。しかしこの事実が公になると、アメリカ国内でも問題になるので、片山事件では検察はそのデータを証拠としては提出しないようだ。
【選挙】
2013.7.の日本の参院選に関して。
民主党時代に揉めた原発、沖縄米軍基地が、まったくと言っていいほど選挙の争点になっていない。これは、民主党時代に、「どうしようもない問題」として選挙民に認識されてしまったからではないか。結果的に、原発と沖縄の基地についてあいまいな立場を示している自民が、景気がやや浮揚していることをバネにして優位に立っている。
原発が選挙で争点にならなかったのは、絶対推進vsと絶対反対の不毛な構図で身動きが取れなくなっているから、という見立てが、本編
で語られる。
【対米追従】
日本の政治権力が、対米追従の体制から権益を得る体制として固定化している。国家権力の中枢は大蔵省(カネ)から検察・総務省(情報)へシフトしているが、この情報においても、片山事件に見られるようにアメリカからの情報にぶら下がっている。
このような体制なので、原発も米軍基地も選挙の争点に出来ていない。
おわり