jizakiの備忘録

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VideoNews「NGOは世界をどう変えるのか」目加田×宮台×神保(視聴メモ)

【動画概要】

 NGONPO。冷戦後の世界。財源。寄付と啓蒙(public education)。日本社会の歴史的経緯とNGONPO

 

【視聴動画】

マル激トーク・オン・ディマンド 第198回(2005年01月15日)
「NGOは世界をどう変えるのか」

ゲスト:目加田説子氏(中央大学教授)NGONPOの研究者。

 

NGOがなければ世界は回らない】

機動力の高さ。現地ニーズの把握力。

スマトラ沖地震を機に、専門家に話を聞いた。

 

スマトラ沖地震での活動】

今回は、前代未聞の広範囲の災害。それと継続性はどうなるか、が注目される。

 

NGONPOの用語】

非政府組織と非営利組織。国際的な話題ではNGOと言われ、国内的にはNPOと言われる。実体は基本的には同じ。

歴史的には、国家の国際的な連合である国連憲章で、NGOの言葉が使われた。だからNGOは国際問題で使われる傾向。対してNPOは、国内での地域問題、環境問題を扱う時に使われる。NGOは基本的にNPO

第一セクター=政府=G、第二セクター=企業=P、第三セクター=市民社会。civil sociatyによる活動としての、NGONPO

海外では、community based organization(CBO), grass roots organization, citizen's organization, people's organizationなど、様々な言葉で呼ばれている。最近ではcivil society organization(CSO)という言葉が一般的に。国連など国際社会の書類では、NGOと同じ頻度でCSOが使われている。

non非であって、anti反ではない。日本での「市民」の使われ方が、反政府、反企業という文脈で使われてきたので、シビルと訳すことが多い。

 

【活動の高まり】

冷戦中は安全保障や軍縮などのいわゆるhigh politicsが国際社会の主題で、米ソ以外の意見は反映されにくかった。冷戦後、特に1992年リオサミット以降、国連によって単なるオブザーバーからパートナーに位置づけられる。女性問題や環境などの、いわゆるlow politicsの解決に向けて力を発揮。

冷戦前からも、service部門では蓄積あったが、冷戦後、adovocacy部門において大きな提案力を持つようになる。

二極化の傾向・・・大きなところは肥大化し、小さなところは零細なまま。財政面。

 

【財源】

アメリカと欧州で異なる。アメリカは、民間財団からが比率大きいが、他国と比べると政府からの援助も大きい(jizaki:これは他国の「民主化を推進」する半スパイ団体等への、じゃないか?)。欧州は政府からの補助金が圧倒的に大きい。

財源の在り方は、団体によって異なる。政府からの支援が大きいと、政府の政策に依存しがちになるので、財源を多様化する団体も多い。

 

【寄付と啓蒙】

寄付を集めるため、public educationを活発に、地道に行っている。

電話、DM、ネット、ミニ集会・学習会で活動内容、存在意義、を説明。

adovocacyを行う際に、「誰の声を代表しているのか」、を問われる。

 

【政府と企業】

なぜ、政府や企業ではできないのか? 国益や企業益とは別の視点で支援できるから。しかし、政府や企業からの財政支援が大きいと、そうなるのでは? ありえる。

INGO(international)では、各国支部間で対立がある。イラク戦争でのイギリス支部とアメリカ支部の対立など。

 

【国際会議】

国際会議などにNGOが入ることで、国家間交渉でエゴむき出しにやると5分後にネット配信されて恥ずかしくなり、public diplomacy(自国益だけでなく国際益も考える)を重視するようになった。

 

【日本】

NGOの規模が小さいのはなぜか。

意識面・・・王権を倒して立憲した市民革命の経験がない。目に見えない遠い他者の不幸に感応するような、普遍的な宗教社会学的な心性がない。国益、国民益、企業益とは異なる、公益という観点が薄い。寄付を、地方政府にしてしまう。統治権力に対する盲目的な隷従がある。

制度面・・・寄付に対する税制優遇措置がない。NPO法人でも、税制優遇を獲得しているのは数%。

団体・・・たこつぼ的で、自分たちのしたいことをしているからいいではないか、というところが多い。public educationが弱い。

 

【寄付】

寄付に税制優遇措置があれば、よりすぐれた団体に寄付が集まり、ある種の投票行為によって団体や活動が淘汰される。

政府の行政活動は、完全に合意された範囲で行い、グレーゾーンについてはNGOが行っていく。このような補完的な仕組みが出来ればいいのだが。

 

【西ヨーロッパの歴史】

12世紀の叙任権闘争で聖俗二世界論に。国家の言うpublicと教会の言うpublicは違う。国家はお金や行為に関わる。教会は心やヒューマニズムに関わる。教会が神や地獄を持ち出して市民を脅迫してくることに対して、初期ギリシャ思想で対抗する流れも。市民のpublicもある。

 

【日本の政治】

日本では、江戸幕府も明治政府もGHQも戦後政府も、すべて「お上」。自分たちで統治している、という意識が薄い。日本の仏教は奈良以降、国家の繁栄を祈念してきた。一向一揆は例外。

日本のNPOは政治性を排除して、安全な存在ですよ、とアピールしたがっている。政治的な発言をする団体を「色がついた」マージナルな存在として囲い込む空気がある。

 

<以下、最近のニュースについて>

従軍慰安婦の民間法廷のNHK番組に関する安倍の発言】

日本の政治家の2ちゃんねらー

不信ベース、疑心暗鬼、オブセッシブ、誇大妄想、不安ベース、腹くくってない。

みんなが不安になると、最もへたれな奴の中から、断固たる決断主義が出てくる。

 

【大卒生の人気企業ランキング】

大手銀行や商社をトップに、有名企業ばかり。不祥事があったり、検察の手が入った会社も。不良債権で公的資金で救済された銀行=Too big to fail。財閥系は準公務員の扱い。

楽天やライブドアやソフトバンクが入ってない。そこでのしていく自信がない。

「寄らば大樹の陰」では立ち行かなくなっている、という雰囲気が流布すればするほど、皆が不安になり、大樹に寄っていく。

 

【不安社会】

2つのニュースに共通するのは、ホームベース(生活世界の根っこ)を失い流動する社会にさらされた人間の不安。

jizaki:これでNGOとかNPOって、どういう展開が?→地域やアイデンティティや趣味の縁の結わい直しも含めた活動だろうな。

 

おわり