VideoNews「サルでもわかるアベノミクス入門」高橋、萱野、宮台、神保
【概要】
アベノミクスの主柱=「量的緩和」を唱えるエコノミストで元財務相官僚の高橋洋一を招いて、量的緩和(風が吹いたら)が好景気(桶屋が儲かる)に繋がるロジックを聞く。宮台や萱野が高橋に押されている。
【動画】
(2013年01月12日)マル激トーク・オン・ディマンド第613回 高橋洋一×萱野×宮台×神保
http://www.videonews.com/charged/on-demand/611620/002633.php
1「金融緩和」
- 日本銀行が、紙幣を大量に刷って市中銀行から国債を買い、紙幣を市中銀行に出す。(マネタリーベースの増大)
- これまでの日銀の金融緩和は通貨供給量が少なすぎる、と指摘。アクセルのふかし方が弱いと景気浮揚しない。これまで20年で通貨量は40兆から150兆になったが、弱い。アベノミクスでは半年で50兆刷る、と言っている。
2「物価」→「インフレ」
- お金が銀行預金やタンス預金として引き出されずに死蔵されたら物価は上がらないが、日銀がお金を大量に供給することで市場の「インフレ予想」を半年以内に引き起こす。
- また、商品:貨幣の比率が変わり、商品の値段つまり「物価」が上がる(物価上昇=インフレ)。
3「為替」→「円安」→「輸出拡大」
- 外貨=ドルとの関係では、ドル:円の比率が変わり、「円安」になる。
- 現在、日米の通貨量を割り算して150兆円÷2兆ドル=75円/ドルである。ここで、金融緩和で新たに30兆円刷れば、180兆円÷2兆ドル=90円/ドルの「円安」となる。すると「輸出拡大」する。
4「株価」→「株高」→「消費拡大」
- 実質金利=名目金利-インフレ予想(定義)なので、インフレ予想が上がると「実質金利」が下がる。すると「資産価格(為替や株価など)」が上がる。すると半年後までに「株価」が上がる。
5「実需」=「GDP」の上昇
- 「円安」になって半年~1年半後に、「輸出」が伸びる。ここで初めて実需が生じる。
- 「株価」が上がって、半年~1年半後に株を持っている人が「消費」をするようになり、ここでも実需が増える。
- 実質金利が下がると1年半~2年半後に「設備投資」が増える。
- 「輸出」+「消費」+「設備投資」でGDPの8割だから、GDPが成長する。
- デフレの原因である「デフレギャップ」=供給(大)-需要(小) において、需要が増えてデフレが解消される。
(*)金を刷ることによる実質利下げ
マネタリーベース増→インフレ予想→point!「実質金利」下がる→資産価格上がる→円安(輸出増)で、株高(消費増)→設備投資増
6「2種のマネー」
- 好況になると市中銀行の「信用創造」機能によって、市中の通貨量つまり「マネーストック」が増える。
- 初めは企業の「内部留保(タンス預金)」から出費するが、足りなくなると銀行から借りる。
- 中央銀行が刷る「マネタリーベース」が増えてから銀行預金を通貨とする信用創造で生じる「マネーストック」が増えるのは3年くらい時間的に遅れる。
6「雇用」
- 実需の上昇で失業率は下がる。GDPや雇用は7割がた為替で決まるから、日本以外の中央銀行は失業率も目標に入れられてる。
- だから、左翼政党こそインフレターゲット政策で雇用を守るべきである。
7その他
- 期待だけから生じる「バブル」とは違って、背後に通貨供給量増があるから、バブルにはならない。
- 今まではデフレ下で供給量を絞ってきたから、名目金利が0%に近くてもデフレ予想によって実質金利は高かった。これが経済が活性化しない原因。
- 日本銀行は日本政府の子会社なのだから、どんどん刷ればいい。財政赤字の増大に合わせて、GDPが上がればいいのだから、GDPが成長するようにインフレを起こせばいい。(インフレターゲット論=インタゲ)
jizaki
もし、この政策が正しくて成功したら、今までの日銀はいったい何をしてきたんだ? ということになるが・・・
金融緩和に疑義を唱えるエコノミストの意見も聞いてみよっと。
おしまい