jizakiの備忘録

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VideoNews「依然として最大の脅威は内部被曝のリスク」矢ヶ崎×神保×藍原

【概要】

思いのほか、良質な内容だった。矢ヶ崎さんは内部被爆に詳しい物理学者

測定され報道される放射線量は、ガンマ線の「外部被爆」で計算していて、アルファ線ベータ線による「内部被爆」は別物。低線量内部被爆では、何十年も経ってから健康被害が出る。

 

【動画】

http://www.videonews.com/charged/interviews/001999/001888.php

(2011年05月19日)VideoNews インタビューズ  のメモ。

 

【ガンマ】 

外部被爆ではγ選が主役。モニタリングポストで図っているのはγ線

ガンマ線は分子切断する相互作用が弱いので、エネルギーを余らせて体を突き抜けることもある。

 

【アルファ、ベータ】

内部被爆=飲み込んだ埃・食品・水に組まれる放射性物質による。α線β線が主役。

α線β線は飛程が短いが、相互作用が強く、短距離で10万回、分子切断する。

体内での飛程はαで40μm、βで1cm。

αとβの体内の飛程が短いので、内部被爆の量は図りにくい。鉛の部屋に入って、γ線を測って、それが起因したα、βを推定する。あとは、母乳や食料、尿を検査する。

 食品の放射線測定は、粉砕して焼いて、計測する。野菜は、特に葉野菜は出荷時に洗えないから、買ったら洗ってから調理した方がいい。

 

【核分裂の系列】 

核分裂で生じた物質は、殆どがβ線を出す。γ線β線に伴って出てくる。

ヨウ素131は、β崩壊してキセノンになる。キセノンが再び崩壊して放射線を出す。

ヨウ素131は、外部被爆に比べて内部被爆は4.5倍になる。

 

【広島の原爆と繋がる話】

広島に原爆投下後、6週間後に枕崎台風がきて、広島の河口の堤防が決壊した。市内は1m冠水し、放射性降下物は沖へ洗い流された。その台風の通過後に、土壌からサンプルを取って、それが原爆投下後の基礎データとされた(恣意的なデータ採取)。

ABCC(原爆傷害調査委員会)は、被爆者の治療をせずに、サンプルだけ取って帰った。爆心地から2kmしか中性子線当たらなかった、と統計操作。50年代に作られた原爆医療法では、2kmの範囲内しか認定しなくて、内部被爆も認定しなかった(日米の科学者が協力して、内部被爆はないもの、とした)。しかし、キノコ雲が20km広がった。これは、放射性微粒子から出た放射線によって雲が出来た(霧箱の原理)ので、その範囲には強い放射線が降った。これが、原爆認定訴訟。

 

【内部被爆を軽視するICRPモデル】 

アメリカの作ったICRPモデル(γ線を元に晩発性を「計算」)の問題は、内部被ばく量(α、γ)を評価していない。ICRPの公称1mSvは、原発稼働の社会的・経済的利便のために設定された数値。 

核を投下したアメリカが、その威力に驚き、 核戦略を広げるために、長引く健康被害を隠ぺいしようとした。そのために、晩発性の内部被爆を科学者に否定させた。

政府の言った「直ちに影響が出るものではない」は、晩発性を無視する言葉。

ヨーロッパ放射線リスク委員会ECRR(科学者集団で、内部被爆も考慮)は、アメリカのICRPの考え方と対立。科学者ならば、出てきたデータを無視してはいけない。日本の原子力科学はICRP派の重鎮が多く、似非科学。真実・事実の前にひざまづかない放射線科学の世界。

 

jizaki:重要なのに知らなかったことが多くて勉強になった。