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VideoNews「大雪が問いかける地方の現状と今後」長島×宮台×神保(視聴メモ)

【概要】

田舎が高度成長期を経てどのように変容したのか。今でも、田舎が都会に対して持つアドバンテージは何か。 

 

【視聴動画】

マル激トーク・オン・ディマンド 第250回(2006年01月14日)

「大雪が問いかける地方の現状と今後」

ゲスト:長島忠美氏(衆議院議員・元山古志村村長)

http://www.videonews.com/charged/on-demand/0241241250/000651.php

40歳で村に戻り、無農薬農業をしてきた。山古志村が孤立した災害の際に陣頭指揮を執り、今回誘われて衆院選へ。いわゆる小泉チルドレンとして当選したが、殆どの候補が都市出身、という中では異色。中山間地や地方の在り方について、発信していきたい。落ち着いた語り方で、地に足がついた雰囲気。

 

 【農村の公共事業】

大雪は20年前にも降っていたが、高齢化して農道・用水路の共同管理が難しくなっている。同様に、大雪に対処できなくなっている。

地方の共同扶助は70年代から弱くなっていたが、その分、公共工事の再配分で社会的な結合が回っていた(田中角栄の、均衡ある国土開発)。これが小泉改革で廃止され、田舎の共同体の空洞化を支えるために為されていた手当が外された。鈴木宗男は、田舎には今も公共事業は必要だと言っている。

 

【農村の変遷】

高度成長期までは、農作業や農道・用水路の維持は共同作業でやっていて、冬の農閑期だけ出稼ぎに行っていた。

高度成長期に、二男三男が都会に出て就職して実家に仕送りするようになると、田舎における仕事とお金に対する考え方が変わっていった。

都会に近いところに引っ越していった。中山間地は土地を利用した産業が効率悪いので、賃労働の仕事を供給できなかった。

高度成長によって、交通・流通・情報が整備され、田舎でも都会と同様の生活スタイルを享受できるようになったが、便利さで比べれば都会の方が有利なので、その田舎に居続ける理由が弱くなってしまう。土地に対する執着や共同性に対する誇りが小さくなっていく。

コンビニとファミレスが出来ると、若者は家や地域に対するホームベース感覚が薄くなっていく。

 

【農村の今後の売り】

「子ども」が、今の大人たちの唯一共通の関心。子どもの情緒に対する田舎の教育力の高さ、これを売りにしたい。

 山古志村は今回の災害で全国からボランティアが駆け付けて支えられて、外の人間との交流に心が開かれている。このタイミングで、やって来た人と親戚づきあいをして、採れた野菜を送ってあげたり、たまに都会から遊びに来てくれたり、そのうちに誰か移住して来たり、という中山間地のロールモデルになれないか。土地はただみたいなもの。

 

【都市と農村】

古くて新しい問題。予算配分と公正性。地方や田舎が切り捨てられる。1人1票にすると、過疎地域の声はますます反映されない。

人間の1票だけで、均等割していいのか。牛馬や地下水源も含めた環境によって、都市は支えられている。人が自由に振る舞えるために必要な資源リソースは、どこから来るのか。

確かに、農村における団体的な動員が自民党を有利にしてきた面はあるが。これからは自民党が都市化してくるから、どうなるのか。

都会で育った人間だから、困った時にno ideaとなった時に、田舎に来たら一気に解決するような種類の問題もある。

60歳で退職して、その後都会で暮らすのがしんどい人は山古志村に来てくれれば、80歳までは働かせますよ。田んぼやって畑やって、寄合に出て、お祭りをやる。

中山間地は無農薬などのこだわり農業が出来る。土地の保全を大事にしたい。