jizakiの備忘録

動画や本などのメモ、etc

youtube「女性の社会進出とクオータ制の是非 」宮台真司

【概要】

日本は女性のためにも、社会全体のためにも女性の「アファーマティブ・アクション」を進めるべき。

 

【動画】

VideoNews ニュース・コメンタリー (2013年01月12日)よりyoutube

http://www.youtube.com/watch?v=DAKkV9V8w0Y

にupされた動画を見て、メモ。

 

 

  • 安倍政権の「党三役」のうち、3分の2に女性政治家が就任し、その2名がTV番組で女性のアファーマティブ・アクションをするべき、という議論をしたことを受けての宮台のコメンタリー。利き手:神保。
  • 有権者に男女共同参画社会への姿勢をアピールする安倍政権の「ポーズ」に過ぎない、と取ることもできるが、当然まともに考えるべきことである。
  • 国会議員は11.3%、会社役員は1%しか女性が就いていない。これは先進国のみならず、アフリカ諸国と比べても極端に低い割合である。
  • アファーマティブ・アクションは、1950年代のアメリカにおける黒人の公民権運動の中で提唱された社会政策で、黒人時学生の大学への入学の要件を緩和するもの。黒人は白人より低い点数でも大学に入学することができる、というもの。
  • 特定のカテゴリーの人間を、社会的な構造によって陥っている「貧困の悪循環」から解き放とう、というもの。「貧困の悪循環」とは、貧しい親の元に生まれた子は高度な教育を受けられず、低賃金の職に就くことが多く、以下繰り返し、というもの。
  • アメリカでは、黒人以外のマイノリティーにも適用されている。
  • 医学部の入試に落ちた白人学生が、情報開示によって、自分よりかなり得点の低い黒人学生が合格していることを知って、「逆差別」である、と最高裁まで訴えたが負けている。つまり、白人はスタート時点でそれだけ黒人よりも優位な立場にいるから、そのギャップ以上に優秀でないと合格できない、というもの。
  • で、件の自民党の2人の討論では、議員や会社役員にアファーマティブ・アクションを進めるべきだ、という意見と、選挙民が選ぶ過程や民間組織の人事に政府が介入するのは、いかがなものか、というもの。
  • 宮台によれば、人民の多数が望んでいないことを政府が上から決めることには、パターナリズムの惧れ(オソレ)の他、多くの人々がアファーマティブ・アクションを理解せずに制度が空洞化する惧れがある、と指摘。アメリカでは公民権運動が社会に広く浸透した、という前提の上で、アファーマティブ・アクションが実施されている。人々の側にも、特定のカテゴリーの人間の「貧困の再生産」をなくそう、という機運がある程度ないと成功しない、という。
  • しかしドイツでは、人々の多くが望んでいなくても、私たちの社会が目指すべき理念を重視し、アファーマティブ・アクションを行っている、という。
  • 対して日本では、アメリカのような公民権運動や、ドイツのような理念に向かっていく運動が希薄である、という。
  • 経済面で考えても、有能な女性が家庭に入っていることで、会社は潜在的に損をしているはずだ、という。

だらだら書いてしまった。私としては、シングルペアレントの支援充実、子育て世帯の支援充実、大学の女性入学条件の緩和、に大枠で同意する。